2012年02月18日

古典的博学者をネットで発見

かつて、情報を収集することが学問のかなりのウェイトを占めていた時代があった。

インタネットみたいなお気軽なツールがない時代、資料集めが学者の最大の課題のひとつだったのである。さらに言えば、関連する情報をかなり集めた時点で、学者としての仕事はある程度達成している言えた。

そんな古典的な博学者が開設しているサイトを発見した。

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ポップの世紀」というサイト。

20世紀の歴史をまとめたサイトである。音楽の歴史にはじまり、映画、科学、政治、思想、事件、海外テレビドラマにいたるまで、あらゆる情報を収集しまとめている。

それも、単なる寄せ集めではなく、作者の考察も入れながら、読み物としてわかりやすくまとめている。Wikipediaなんかよりもずっと詳細な情報もあり、何より、楽しく読める。

量が半端ではない。作者いわく、10年間、毎週1ページの割合でコンテンツを追加し、2009年時点で推定 3,195,000文字。文庫本20冊に匹敵する量だ。本人も全体量やサイト構成はちゃんと把握できていないらしい。知の迷路だ。

調べたところ、作者は学者ではなく、北海道で店をかまえている個人事業主。かなりの数のレコードやCDを収集し、膨大な本を読んでいる。

趣味が高じて、サイトのコンテンツの一部は出版されるに至った。20世紀音楽の歴史をまとめたエンサイクロペディア。
音魂大全―史上最強の20世紀ミュージック・エンサイクロペディア [単行本] / 鈴木 創 (著); 洋泉社 (刊)

サイトのデザインはかなりザツである。しかし、古き良きインターネットの黎明期においては、ホームページとは本来こういうものではなかったか。インタネットは本来は、いまみたいに薄っぺらで翌日には忘れてしまうような無用な情報が飛び交う世界ではなく、主に文字を手段として、自分の思いや研究成果を練り上げ、意を決して世界に発信する場だったのである。

時間をかけてこんな膨大なサイトを築き上げ、その一部は本にまでなったわけで、つくづく、継続は力だなあと感慨深く思った次第。
posted by ロカンタ at 14:07 | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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